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発達プログラム176号 「ことばの教え方」より

コロロの幼児教室 発語エピソード

の記事をご紹介します。


(こちらの記事では、お子さんに合わせて教材を選び、伝わりやすい場面やタイミングを調整しながら、発話できるようになった・発話が増えた事例を説明します。)
 

集会教材で「音」を意識したA君

A君はお母さんを見て、「んあ、んあ」のような音が出るものの、促しても言えないことが多く、
「見てわかって言う」にはどうしたらよいか?と思案していました。

そこで、「まま」と発声するための視覚教材を使いました。

4枚並んだ扉を1枚ずつめくると、お母さんのイラストが出てきます。

まずは指導者が「こんにちは、まーまー♪」と歌いながら扉をめくります。

それを何度か繰り返し、歌を覚えた頃に「こんにちは」だけを歌い、扉をめくります。

するとA君はタイミングよく「まま」と言うことができました。

無意識の発声から意識的な発声(自分で言おうとして出せる)になった瞬間です。

こうして提示されたタイミングで「音」を出すことができるようになったA君はお母さんを指さして「まま」と言う、
食事のときに好きなメニューを言うなど、コミュニケーションがとれるようになってきています。

  →→→  


集会での歌の掛け合いから、発語がスムーズになったB君

B君は歌が大好きで、糸巻きの歌を口ずさむことができますが、カードを提示された時に、言うことができません。

また発声を促されるとイライラが募ることがありました。

そこでB君が出しやすい音を探し「かさ」「パン」「トイレ」などの発話カードを作成しました。

先生が「かさ」と言った後には「かさ」と模倣はできるものの、4~5枚ほどでイライラ・・。

そこで個別ではなく、集会中に集団の力を使って発語練習を行うことにしました。

すると少しずつ、おへんじ「はーい」、いないいない「ばあ」、うしのおさんぽだ「も~」など、イライラせずに発話できることが増えました。

その頃合いで、個別学習の時に集会教材を取り入れたところ、イライラが募ることなく、繰り返し発話練習ができるようになり、どんどん上達していきました。

現在は「おちゃ」「トイレ」などの絵カードを見て、求められた時に発話ができるようになっています。

音を作る能力は問題なく、マイペースでは言えるのですが、他者とのコミュニケーションの中で、ことばを使えなかった事例です。


本編では、50音表で文字を意識したC君の記事へと続きます。


こちらの記事が掲載されている 発達プログラム176号 「ことばの教え方」は、

【講演会】コロロ発達療育センター主催 「ことばとコミュニケーションの教え方 ~ことばの発達を促すプログラムと教材~」

の関連図書として、157号自律につながる「学習」178号「どう選ぶ?進路・くらしの場Q&A」とともにおススメしている発達プログラムです。

ぜひ、療育のヒントにお役立てください。





この記事をご紹介したのは…



コロロ発達療育センターはコロロメソッドを実践する療育機関です。

1983 年創立。自閉症、広汎性発達障がいなどの診断を受けた子どもや、
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
コミュニケーションがとりづらい、問題行動やこだわり・パニックが頻発して家庭療育がままならないなど、
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
幼稚園や学校に通いながら、ほかの療法とも併せてプログラムを実践することができます。

コロロ学舎はコロロメソッドを実践する成人入所施設・放課後等デイサービス事業等を運営しています。

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コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。

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