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発達プログラム No.135 外出のマナー―トラブルを防ぐ―

より

公共のマナーQ&A買い物編の記事をご紹介します。


Q 中学二年の娘についてご相談します。

社会勉強もかねて買い物に連れていくのですが、
自分の好きなお惣菜を買わなくては気がすまず、買い物どころではありません。

欲しがるので認めていましたが、続けるうちにこだわりになってしまったようです。

買い物をしないわけにいかないので、なんとか直したいのですが、お惣菜を買わないとなると、大声を出して怒るので、結局根負けしてしまいます。


A年齢とともに生活範囲は広くなり、マナーを求められる場面が増えてきます。

特にスーパー、コンビニ、ドラッグストアなどは、生活する上で避けては通れない場所です。

ですからトラブルも生じやすく、多くの体験談をうかがいます。

・鮮魚コーナーで、タコを触りたくて、ラップに穴を開けてしまった

・作りたてで陳列されたお惣菜を、そのままつまんで食べてしまった

・気がついたら近くにおらず、お気に入りのお菓子をたくさんもって戻ってきた

など、そのエピソードは、なかなかヒヤリとさせられるものです。

場面に関わらず困った行動への対応の基本原則は、ユアペース行動が出来ているかどうかにつきますが、
これについては別の頁にも触れられていますので、ここではこだわりへの対処法を考えてみましょう。

買い物時に困らないようにするためには、こだわらないための練習が必要です。毎日スーパーへ足しげく通い、
「お惣菜は買いません」と言い聞かせ、我慢させる練習を繰り返しましょう。

繰り返すうちにきっと分かってくれるはずです!

なんて、夢みたいなことはありません。やればやるほど悪くなります。

しかし、よく陥る悪い練習方法がこれです。

こだわりは、ある特定の刺激に対して特定の反応を起こし、それが繰り返されることで強化されていきます。

こだわりをなくしていくためには、この悪いパターンの「繰り返し」を避け、意図的・計画的に対応していくことが大切です。


こだわっているのは買い物の時だけ?生活全般の見直しを

ご相談の女の子、家での過ごし方を伺ってみると、
冷蔵庫の明け閉めが好き、食事のメニューを決めている、一日三回以上シャワーを浴びたがる、家の中ではソファが定位置などなど、こだわりがたくさんあるようです。

もちろん、買い物場面でも

・特定のお店に入れない

・家族と一緒に売り場を見て回れない

・不必要に商品を触る

・精算時に待っていられない

といった行動があるようです。

買い物は明確な目的意識のもとに行われる行動ですから、このような行動があれば改善していく必要があります。

外出時は人の目もありますし、大人も用事を済ませなくてはなりませんから、どうしても良い子でいてほしいと思いすぎ、そのときの問題に頭を悩ませます。

また家の中のこだわりはあまりにも日常になりすぎていたり、「迷惑ではないから、まあいいか」となんとなく容認してしまっていたりして見過ごしていることが多いようです。




次回は「お買い物に向けてやっておきたいこと」「買い物に必要なスキル」についてご紹介していきます。



この記事をご紹介したのは…





コロロ発達療育センターはコロロメソッドを実践する療育機関です。

1983 年創立。自閉症、広汎性発達障がいなどの診断を受けた子どもや、
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
コミュニケーションがとりづらい、問題行動やこだわり・パニックが頻発して家庭療育がままならないなど、
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
幼稚園や学校に通いながら、ほかの療法とも併せてプログラムを実践することができます。

コロロ学舎はコロロメソッドを実践する成人入所施設・放課後等デイサービス事業等を運営しています。

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