発達プログラム No.135 外出のマナー―トラブルを防ぐ―
より公共のマナーQ&A外食編の記事をご紹介します。
Q 先日、幼稚園の年長になる息子を連れてレストランに行きました。
ところが食事が出てくるまでの間待っていられず、店内を走り回ったり、席についても声をあげたりと、とにかくとても大変でした。またなんとか食べさせたものの、食べ終わったら家族が終わるのを待っていられず、床に転がりこんで机の下にもぐったりして、
家族は食事もなかばに店を出てきました。
周囲の方にも迷惑をかけてしまい恥ずかしい思いと情けない気持ちになりました。
子供と外食をするのはまだ早いのでしょうか?
Aお子さんを連れて、たまには外食をしたいというお母さんも多くいらっしゃることでしょう。
公共の場でマナーを守るためには、ステップを踏んで練習していくことが必要です。
<家で練習できること>
ご質問のケースでまず問題なのはじっと座っていること、待つことができないという点です。
家庭での食事場面において、以下の点に注意して練習しておきましょう。
①家族がそろってから食べ始める
食卓で待っていられないので、食事の直前まで一人で遊ばせていて、食べる時だけ座らせていては、
レストランなどで待っていることができないのは当然のことです。
まずは家庭での食事場面で、食卓に着き家族がそろうまで座って待っている、
席に着いて机や目の前のお皿をいじったりせず手はおひざで待っていられるように練習しておかなくてなりません。
まずは配ぜんをしてから席に着かせ、「いただきます」の挨拶をするまでの間、お皿などを触らせないように手を止める練習から始めましょう。
少しずつ時間をのばしていき、目線を配りながら配ぜんの間も席で待てるようにしていきます。
配ぜんのお手伝いをさせて、挨拶をするまでは食事を始めない、というパターンをつけていくのもよいでしょう。
②食事中の姿勢
体幹支持が保てず机に寄りかかったり、足を動かしたりという姿勢の乱れがみられるお子さんは離席につながりやすいです。
体に合ったイスを使用し、足は床(もしくは足置き台)にしっかりつけて座らせましょう。
正座の方が姿勢を保ちやすいお子さんも多いですから、その場合は座卓での食事中の姿勢保持から練習をはじめ、徐々に椅子の練習も取り入れましょう。
レストランなどのイスだと、足が床につかず体が揺れやすくなるので、いろいろなイスで静止トレーニングをしておくとよいでしょう。
③家族が食べ終わるまで席に着いている
自分の分を食べ終わったら、席を立って一人で遊び始めたりしていないでしょうか。
お子さんが食べるのを手伝っていると、家族のほうが食べ終わるのが遅くなってしまうことが多いと思います。
はじめのうちは、シール貼りやビーズ通しなどの手作業をさせて良いですから、家族が終わるのを食卓で待たせるようにしていきましょう。
手作業で待てるようになったら、少しずつ静止トレーニングで待たせる時間を作っていきます
(手をパーにして机に置き、ふきんなどを乗せて落とさないようにする)。
机の上で静止ができるようになったら、最終的に手はおひぎで待てるようにしていきましょう。
これらのトレーニングをご家庭で行い、できるようになってきたら、少しずつレストランでの食事に近づけていくステップを踏みましょう。
<外食のためのステップ>
まずは、なるべくお店がすいている時間に、外食の練習をしてみましょう。
1、スーパーに隣接するフードコートなど、出入りが簡単なところでジュースを飲む練習をする。

2、ファーストフード店でジュースを飲んだり、デザートを食べたりする練習をする。
3、ファミリーレストランで食事をする練習をする。
このように少しずつお店の規模を大きくしたり、お店に滞在する時間をのばしたりステップを踏みながらレベルアップしていきましょう。
このとき注意することは、周囲に迷惑をかけずに食事を終えること、です。
あえて偏食指導をしたり、お子さんにメニューを選ばせたりすることはやめましょう。
まずは単品で静かに食事を終えてお店を出られることを重点課題とします。
また、どうしても家族との食事のスピードがあわずお子さんを待たせることになるという場面も想定し、
外出先でもできるちょっとした手作業やおもちゃ(小さめのパズルなど)を準備しておくことも必要です。
なにがなんでも静止して待たせようと無理をすると、かんしゃくを起こさせてしまい、結果ほかのお客さんを不快にさせてしまうこともあります。
これは外食場面だけでなく、病院の待ち時間や電車やバスでの移動時にも使えますので、
日頃から携帯できる「お待たせグッズ」を3~4種類くらいはそろえておくとよいでしょう。
外食もトレーニングで徐々に上達するものです。
初めからいきなりレストランに挑戦するのではなく、計画的にステップを踏んで練習していくことが上達のカギです。
周囲に迷惑をかけず、家族で食事を楽しむことができるようにトレーニングしていきましょう。

この記事をご紹介したのは…

1983 年創立。自閉症、広汎性発達障がいなどの診断を受けた子どもや、
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
コミュニケーションがとりづらい、問題行動やこだわり・パニックが頻発して家庭療育がままならないなど、
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
幼稚園や学校に通いながら、ほかの療法とも併せてプログラムを実践することができます。
コロロメソッドとは
コロロでは「子どもの持っている力を最大限に伸ばし、社会の中で生きる力をつけていくこと」を目指して幼児から成人までの療育を行っています。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。
詳しくは、ホームページをご覧ください。
コロロ発達療育センター
コロロ学舎