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『高機能自閉症・アスペルガー症候群Q&A』のQ1をご紹介します。

Q1.忘れ物が多い

小学5年の男子です。
忘れ物が多いのでいつも注意をしていますが、「分かった、気を付けます」と言うものの、この繰り返しで困っています。
「先生には、友達に借りればいいと言われた」「学校にそんな校則はない」「そんなマニュアルは誰が作ったんだ」
などと言い出す始末で解決しません。
どうしたらよいでしょうか?

A1.

これは典型的な高機能自閉症やアスペルガー症候群に見られるやり取りですね。

「だって!何で!」

「さっきはこう言った」「〇〇さんはいいって言った」

などと言い訳やへりくつが次から次へと出てきます。

このようにさらさらと言葉が出てくるので、「いけない」ということも理解していると思いがちですが、そうではないのです。

お母さんに「どうして忘れ物をするの」と問われても、その「どうして」がわからないのです。

注意されたときに「ごめんなさい、気を付けます」と言うことは知っていて、
本人は本当に気を付けようと思うのですが、気を付け方がわからないのです。

成功パターンを教える

忘れ物をなくす為には、忘れない為の手順を教えましょう。

①帰ったら持ち物ボードに明日の持ち物を記入。

②19時に明日の荷物準備をする。

③持ち物ボードで確認。
このように箇条書きで具体的に伝えましょう。

彼らは視覚優位なので、文字を書く・読むのが効果的です。

工程が見えるようにすると、失敗したときにどこが良くなかったかが分かり易く、修正しやすくなります。

さて行動について書きましたが、実はこの会話の問題は、「どうして?」など抽象的な質問を繰り返してしまったことです。

抽象的な質問は、彼らには難しく、答えを導き出せないのです。

分からない上に、同じことを何度も言われると、考えずに反射的な言葉が、言い訳やへりくつとして出てきてしまうのです。

このような時には、一度それを聞いたうえで、具体的な好ましい行動を示してあげてください。

日常の会話の中でも「〇〇はやらない」という否定の表現ではなく、
「〇〇をしましょう」という肯定形で、何をすべきか明確に伝えていくことが必要です。

この記事をご紹介したのは…


 



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