発達プログラム144号「一冊まるごとコロロメソッド!自閉症・発達障害Q&A」
より、「問題行動への対応「ダメ」の伝え方」の記事をご紹介します。
Q2.泣いても怒っても、ダメなものはダメと伝えれば、そのうちわかるようになりますか?
A .ダメなものはダメと数回伝えて分かっていくようでしたらそれで良いと思います。
しかし、それでも直らないようでしたら、対応を考え直さなければなりません。
何事も結果次第で考えましょう。
何の手も打たなければ、回数を重ねるごとに、体が大きくなればなるほど対応がより困難になります。
泣いたり怒ったりする場面はどんな場面でしょうか?
「自分の思い通りにならない時に泣きます」というお答えをよくいただきますが、
プログラムを考えるために、もっと分析的に観察したいと思います。
おもちゃで遊んでいる最中に、おふろに誘う時?問題行動を止めた時?
どのような時でしょうか?
伝え方はどうでしょうか?
やめてほしいその時だけ「ダメ」「いけない」「やめようね」と伝えていませんか?
自分の好きなこと=心地よいことをやめるには気持ちの切り替えが必要です。
しかし、自閉症のお子さんは障害の特性上、結果の想像が難しく、行動の繰り返しを好むことが多いので、切り替えが難しいのです。
ですから、やめてほしい場面だけ「ダメ」と伝えてもわかるようになりません。
まずはやめてほしい場面ではなく、普段の場面で体を止める、行動をやめさせる場面をつくりましょう。
「我慢をする」練習を行います。
例えば、おやつを食べる前に10秒待ってからいただきますをする、
おもちゃで遊びたい時にごみを1個捨ててからおもちゃをもらうなど、
やりたい行動を始める前の方が「我慢をする」ことが理解しやすいようです。
また、やりたい行動をやっている時に途中で介入し、10秒待ってからまた行う、なども必要です。
その中でお子さんがイライラする場面もあると思いますが、大きなカンシャクにならないよう加減してください。
物をなげるなど攻撃的な反応が起こった時には毅然とした対応で「ダメ」と伝えることは必要です。
大切なのは大人が意図的に「我慢する」場面を設定して、他者の指示で「我慢できた」という経験を積み重ねることです。
さらに、生活全般で好きなことは気が済むまでできるという状況自体を変えていく必要があります。
歩行、作業、学習、お手伝いなど「相手に合わせてできる」活動を増やしていきましょう。
好きなことだけに気が向くことを避けられる上に、
体を意識的にコントロールする機会や大人の指示に応じて切り替えを行う場面も増やすことができます。
泣く、怒るという反応は体が大きくなると非常に困ります。
大人があきらめず、練習をしていきましょう。
この記事をご紹介したのは…
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1983 年創立。自閉症、広汎性発達障がいなどの診断を受けた子どもや、
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
コミュニケーションがとりづらい、問題行動やこだわり・パニックが頻発して家庭療育がままならないなど、
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
幼稚園や学校に通いながら、ほかの療法とも併せてプログラムを実践することができます。
コロロメソッドとは
コロロでは「子どもの持っている力を最大限に伸ばし、社会の中で生きる力をつけていくこと」を目指して幼児から成人までの療育を行っています。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。
詳しくは、ホームページをご覧ください。
コロロ発達療育センター
コロロ学舎