発達プログラム155号「感情コントロールと問題行動対応法」より
②間食がひどく、家の中をあさって食べてしまいます
前回に続き問題行動にどう対応するか、実例をもとにした記事をご紹介します。
今回は間食についてです。
食事はその量が適切でないと、肥満や病気の原因になってしまい本人も苦しむことにつながりかねません。
今回は間食についてです。
食事はその量が適切でないと、肥満や病気の原因になってしまい本人も苦しむことにつながりかねません。
Q.小学4年生の息子(M)の間食に悩んでいます。
体が大きくなってきて食事が足りていないのか、すぐにお腹が空いてしまうようで、学校から帰るなり冷蔵庫や台所の棚をあさっています。
夕食前も後も隙を見て、つまみ食いをしたりお菓子を食べたりしています。
先日は夜寝かし付けた後に起きてきたようで、鍋に残っていた晩御飯の残りを食べ尽くしていた、ということがありました。
間食しているのを見つけても、止めたり叱ったりすると怒るので、やめさせることができません。
一食の食事量を増やしても、間食をしてしまいます。どうしたらよいでしょうか。
A.隙を見て食べることがやめられず、夜中も起きだしてしまう、
食事量を増やしてみても満足しない・・・ということで、間食がエスカレートしているようで心配ですね。
肥満や健康上の問題にも発展してしまいそうなので、早急に手を打っていきたいところです。
食事量を増やしてみても満足しない・・・ということで、間食がエスカレートしているようで心配ですね。
肥満や健康上の問題にも発展してしまいそうなので、早急に手を打っていきたいところです。
そもそもMくんは「お腹が空いたから」「食べたいから」食べてしまうのでしょうか?
発達障害をもつお子さんは、睡眠・食事・排泄などのバイオリズムが乱れやすく、
自律神経系の働きも関係して満腹感や空腹感を正常に感じにくいことがあります。
ですから、食事間隔を大人が管理し、正常な食事のサイクルを身体に教えてゆくことはとても重要です。
発達障害をもつお子さんは、睡眠・食事・排泄などのバイオリズムが乱れやすく、
自律神経系の働きも関係して満腹感や空腹感を正常に感じにくいことがあります。
ですから、食事間隔を大人が管理し、正常な食事のサイクルを身体に教えてゆくことはとても重要です。
対応法1 食べ物を置いておかない環境設定
まずは、間食やつまみ食いをしない環境設定が必要です。
・手の届くところにお菓子類を置かない
・おやつを買い置きしない
・極力作り置きはせず、一食で食べきる量を作る
など、物理的に食事時間以外はすぐに食べられるものがない環境作りを心がけましょう。
家族の協力も必要になりますが、見えている(あるとわかっている)のに食べてはいけないというのはとても難しいものです。
家族の協力も必要になりますが、見えている(あるとわかっている)のに食べてはいけないというのはとても難しいものです。
対応法2 帰宅後は冷蔵庫に走らせず、作業や学習などの目的行動を促す
また、お母様のご質問から、帰宅するとすぐにMくんの「食べるスイッチ」が入ってしまうことが推測されます。
「家に入る=食べ物を探して食べる」というパターンが強くなっているようです。
このパターンを断ち切るためには、家庭内で過ごす時間を短くする、というのも一つの方法です。
Mくんのお迎え前に夕食準備を済ませ、夕食時間までは歩行や戸外遊びなどで過ごすようにしてみましょう。
寝かし付けてからも起きてしまうということで、睡眠も浅いようです。
放課後に歩行や運動で体を動かし、程よい疲労感で夜を迎えることで、質の良い睡眠にも近づくでしょう。
「家に入る=食べ物を探して食べる」というパターンが強くなっているようです。
このパターンを断ち切るためには、家庭内で過ごす時間を短くする、というのも一つの方法です。
Mくんのお迎え前に夕食準備を済ませ、夕食時間までは歩行や戸外遊びなどで過ごすようにしてみましょう。
寝かし付けてからも起きてしまうということで、睡眠も浅いようです。
放課後に歩行や運動で体を動かし、程よい疲労感で夜を迎えることで、質の良い睡眠にも近づくでしょう。
しかし、いくら帰宅時間を遅らせても、お家での過ごし方が変わらなければ、
「家に入るII食べ物を探して食べる」というパターンから抜け出すのは難しいでしょう。
次のステップとして、食べること以外の家での過ごし方のパターンを増やしてゆきたいところです。
「家に入るII食べ物を探して食べる」というパターンから抜け出すのは難しいでしょう。
次のステップとして、食べること以外の家での過ごし方のパターンを増やしてゆきたいところです。
そのために、まず第一関門となるのが、自宅への入り方です。
入る瞬間から「冷蔵庫に走らせないぞ」という気合を入れて入ります。
しっかり手を繋いで玄関に入り、靴を脱ぐ・靴をしまう・手を洗うなど、お母様の指示を聞いて、次の行動に移るようにしましょう。
それまでの過ごし方によっては急に指示を聞くことが難しい場合もありますので、
帰宅前から手つなぎ歩行でお母様のペースに合わせるという状態にもっていけると良いです。
入る瞬間から「冷蔵庫に走らせないぞ」という気合を入れて入ります。
しっかり手を繋いで玄関に入り、靴を脱ぐ・靴をしまう・手を洗うなど、お母様の指示を聞いて、次の行動に移るようにしましょう。
それまでの過ごし方によっては急に指示を聞くことが難しい場合もありますので、
帰宅前から手つなぎ歩行でお母様のペースに合わせるという状態にもっていけると良いです。
帰宅後すぐに冷蔵庫へ走ることを防いでもまだまだ油断は禁物です。
何もすることがなければ、意識レベルが下がり、衝動的な行動が起こりやすくなってしまいます。
帰宅したら間髪入れずに次の行動を促すことを繰り返し、夕食の時間までを過ごすようにしてみるとよいでしょう。
例えば、手作業や学習、行動トレーニングやお手伝いなど取り組みやすい内容で良いです。
初めのうちはお母様がMくんについて、夕食までの過ごし方を工夫しましょう。
何もすることがなければ、意識レベルが下がり、衝動的な行動が起こりやすくなってしまいます。
帰宅したら間髪入れずに次の行動を促すことを繰り返し、夕食の時間までを過ごすようにしてみるとよいでしょう。
例えば、手作業や学習、行動トレーニングやお手伝いなど取り組みやすい内容で良いです。
初めのうちはお母様がMくんについて、夕食までの過ごし方を工夫しましょう。
食後も同じで、食べ物に向かう隙を与えないよう、できる限り手持ち無沙汰にさせないように過ごし方をプログラムします。
始めは大変だと思いますが、お母様の指示を聞いて動くパターンができるといろいろなことを教えやすくなりますし、
万が一新たな問題が生じた時にも同じように対応することができるはずです。
まずはMくんから目を離さないよう過ごすことが問題行動消去への近道となるでしょう。
始めは大変だと思いますが、お母様の指示を聞いて動くパターンができるといろいろなことを教えやすくなりますし、
万が一新たな問題が生じた時にも同じように対応することができるはずです。
まずはMくんから目を離さないよう過ごすことが問題行動消去への近道となるでしょう。
対応法3 「手はおひざ」「食事前のやりとり」で衝動性をコントロールする
現在のMくんは食べ物を見たら手が伸びる・食べずにはいられない、というように非常に衝動性が強い状態と言えます。
食べ物を見つけると即、食べるというパターンしかなく、反射的に手が出てしまうのでしょう。
ですから他のパターンを教えてゆく必要があります。
例えば、
食べ物を見つけると即、食べるというパターンしかなく、反射的に手が出てしまうのでしょう。
ですから他のパターンを教えてゆく必要があります。
例えば、
①食事が出てくる前から「手はおひざ」の状態で座って待つようにし、配膳と同時にお母様が10カウント
「どうぞ」「いいよ」などの声かけがあってから食べる
「どうぞ」「いいよ」などの声かけがあってから食べる
②「ご飯を食べてもいいですか」「いいです」など許可を求めるやりとりをした上で食べる
など、食べ始めのパターンを拡大しましょう。
また、Mくんのご飯の食べ方はどうでしょうか?
あまり噛まずに丸呑みのように食べていたり、早食いではないでしょうか?
水分も、一気飲みをしていないでしょうか。
そのような場合は、
あまり噛まずに丸呑みのように食べていたり、早食いではないでしょうか?
水分も、一気飲みをしていないでしょうか。
そのような場合は、
①小鉢に少量ずつ乗せ、なくなったらまた少量乗せゆっくり食べさせる
②あえて介助して食べさせる(お母様のペースで食べる)
③水分はコップに少量ずつ入れてゆっくり飲む
などの対応をして、ゆつくり食べる、飲むことを教えましょう。
こうした正しい食べ方を身につけると同時に、食事場面以外でも待つ・許可を取るなどの行動を練習し、衝動性をコントロールできる体づくりをしてゆきましょう。
この記事をご紹介したのは…
1983 年創立。自閉症、広汎性発達障がいなどの診断を受けた子どもや、
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
コミュニケーションがとりづらい、問題行動やこだわり・パニックが頻発して家庭療育がままならないなど、
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
幼稚園や学校に通いながら、ほかの療法とも併せてプログラムを実践することができます。
コロロメソッドとは
コロロでは「子どもの持っている力を最大限に伸ばし、社会の中で生きる力をつけていくこと」を目指して幼児から成人までの療育を行っています。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。
詳しくは、ホームページをご覧ください。
コロロ発達療育センター
コロロ学舎