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睡眠リズムを整えるには、日中の拡声レベルの向上を の記事をご紹介します。

Q.中学1年生男子の母親です。息子は小さいころから寝つきが悪く、11時、12時まで起きていることもよくあります。

睡眠リズムが乱れてくると、1時間くらいで起きてしまい、深夜に家の中の食べ物を食べてしまったり、朝まで一睡もしなかったりということもあります。
そういうときは日中、奇声や常同行動が激しく、つかみかかりなどの他害も出てしまいます。どう対応したらよいでしょうか。

A.睡眠リズムの乱れは自閉症の人たちによく起こり、本人はもとより周囲を疲労させます。

そして自閉症の人の場合、それを見過ごしていくと、

夜、眠らない
  ↓

朝、起きられない
  ↓
外に出られない(ひきこもり)
  ↓
異常行動.攻擊行動

というような悪循環を招きます。

瑞学園入所部では、そういった経緯で入所した人がたくさんいます。

また、1年以上も昼夜逆転の生活が続いた結果、窓から排尿したり、裸で食事をしたりするようになった例もあります。

では、こういった睡眠障害に対してどのようにアプローチし、改善していけばよいのでしょうか。

私たちスタッフは、以下の3つに重点を置いて支援しています。

①体を動かす

睡眠障害の要因の一つに生活リズムの乱れがあり、その乱れは睡眠リズムの波にも直接的に影響してきます。

ですから、日中活動で歩行やDRを行ってしっかりと体を動かし、生活リズムを整えていきます。

睡眠というのは人間が活動するためのエネルギーを蓄えるためのものですから、蓄えたエネルギーを一度使い切ることによって再度すみやかな眠りへの準備ができるようにするのです。


②頭を使う

体を動かし行動リズムを整えるだけでは不充分です。

人間の脳は体全体の消費エネルギーの約20パーセントを消費すると言われています。

実に、体全体の筋肉のエネルギー消費量と同等のエネルギーを脳は消費するのです。

ですから、私たちは日中活動の中で学習や作業の時間をつくり、充分に頭を働かせ、考える環境を設定します。



③覚醒レベルを高く保つ

前述した2つの基礎となる行動が、高い覚醒レベルを持続するのです。

当然のことですが、質の良い睡眠は、質の良い日中活動があってこそのものなのです。

せっかく歩行やDRで体を動かしても、細かな体の揺れや手足の動きを見逃してしまっては元も子もありません。

待機中などの「静」の時間はもちろんのこと、見落とされがちな歩行やDRといった「動」の時間の常同行動までしっかりと止めていくことが、質の良さの追求につながります。

睡眠リズムが崩れやすい人の日中の様子を観察していくと、周期的にぼんやりすることがあり、日中と夜の覚醒レベルの差が少ないことに気づきます。

また、姿勢が崩れやすく、放っておくと床に寝転がってしまうようなこともみられます。

私たち支援員は意識的にそこヘアプローチしていくことで、利用者の覚醒レベルを高く保ちます。

一度崩れた自閉症の睡眠リズムを立て直すのは簡単ではありませんが、人間の体内時計は朝の起床時に太陽光を浴びることでリセットされ、正常な状態に保たれます。

ですから、夜に寝ていないからといって、朝そのまま眠らせていたり日中ウトウトしてしまったりでは体内時計は狂ったままになり、睡眠サイクルを立て直すことも困難なままです。

瑞学園入所部でも、ときどき睡眠リズムが乱れてしまう利用者がいます。

その場合も、これまで書いたように、覚醒レベルを高く保ちながら、日中活動で頭と体を使って生活していくことで大部分改善されますし、睡眠導入剤の使用も最低限に抑えられます。

それでも改善されない場合には、医師と相談して睡眠導入剤を一時的に使用する場合はあります。

それは睡眠リズムが崩れた状態が何日も続き、様々な問題行動が現れ、複雑化する前に状態を改善するほうが長期的視点では良いと考えるためです。

睡眠リズムは脳の問題でもあるため、いたずらに薬を警戒するのではなく、上手に使うことで早期に生活を立て直せる場合もあります。

睡眠障害は、あらゆる問題行動の根幹に関わってきますが、
逆に言えば、睡眠リズムを整え、規則正しく管理することは、日常生活の中における様々な問題行動を抑制していく糸口の一つとも言えるでしょう。

この記事をご紹介したのは…





コロロ発達療育センターはコロロメソッドを実践する療育機関です。

1983 年創立。自閉症、広汎性発達障がいなどの診断を受けた子どもや、
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
コミュニケーションがとりづらい、問題行動やこだわり・パニックが頻発して家庭療育がままならないなど、
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
幼稚園や学校に通いながら、ほかの療法とも併せてプログラムを実践することができます。

コロロ学舎はコロロメソッドを実践する成人入所施設・放課後等デイサービス事業等を運営しています。

コロロメソッドとは
コロロでは「子どもの持っている力を最大限に伸ばし、社会の中で生きる力をつけていくこと」を目指して幼児から成人までの療育を行っています。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。

詳しくは、ホームページをご覧ください。

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