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発達プログラム83号「基本的生活習慣の確立と生活能力の向上」より
「正しい食べ方を教える事 ー偏食の原因は口腔機能の未発達ー」の記事をご紹介します。

Q1.年中の男児です。自分から食べるものは、カレーか菓子類のみで、子どもは毎日カレーを食べています。
カレーの中に入れて煮込めば野菜は食べますが、違和感があると同じ人参でも吐き出します。また、食事中もじっと座っていられません。

Q2.小学2年生の女児です。どうしても食べられないというものはありませんが、口の中に溜め込み、なかなか飲み込めません。
消しゴムのかすを噛むなど、異物を口に入れることも気になります。

Q3.小学1年生の男児です。食べ物を口に入れるとき、うまく運べないからか、左手も口の中に入れて食べています。
また、最近ご飯と野菜は全く噛まずに丸呑みをしていることに気づきました。どう対応したらよいでしょうか。


A.偏食や食べ方の問題は、乳幼児期の舌や唇の反射が残っていることによって引き起こされます。
単なる好き嫌いとは違いますから、正しい食べ方を教える訓練をなるべく早期から行うことで口腔内の機能が発達して、食行動の改善が見込めます。

①咀嚼・塩下の持続

Q1のように偏食の強いお子さんは、好きなものでよいので、噛んで飲み込むリズムが途切れないように口に運んであげます。

大好きな物でも、口に入れるタイミングが悪かったり量が多かったりすると、舌で押し出す反射が出てしまいます。

大人は大変な集中力が必要です。偏食指導初期は、口に入れられた物を吐き出さずに飲み込めたという正しいパターンを定着させることに目標を置きます。
(※偏食指導の方法について、詳しくは発達ブログラム149号をご覧ください)


Q2のように、口の中に溜め込み、なかなか飲み込めないお子さんは、食べられるとは言えども、口腔の処理機能が未発達と思われます。

口の中で処理ができる量も少量で、液体になった食べ物が少しずつでないと喉を通過しないのは、まさに乳児期の状態です。

観察をしてみると口に入れる量が少なく(親指の爪ほど)、咀嚼の途切れも多いようです。

初めは少量でよいので、溜め込まないで咀嚼→嘘下のリズムを作りましょう。

次の食べ物や飲み物をちらつかせたり、声をかけたりと、意識を落ち込ませないように工夫しながら、正しい咀嚼嘯下リズムを作り出します。

そこで一口大の量を少しずつ増やしていくと、口腔内に入れられる量が増えてきます。


Q3のように丸みをしてしまうお子さんも大変に多いのですが、このお子さんは乳児が乳を吸うように舌と上顎を使い吸引しているようです。

それがこだわりと結びつき特定の触感の時には丸飲みをするのでしょう。

噛まない子に噛ませる事を教えることが一番難しいのですが、丸飲みがしにくい食べ物と一緒に口の中に入れてあげる方法が効果的です。

例えば、白米をお肉で巻く・白米を一口大の海苔巻きにする、などです。

次の段階としては、先に咀嚼が起こりやすいお肉を食べさせ、噛んでいるところに少量の白米を入れる、などです。

まずは、丸飲みができない工夫をし、苦手な触感でも明噌をするパターンを定着させます。

咀嚼行動は噛み続ける持続力が必要です。

食事場面だけでなく、歩行、着席、レベルに応じた学習課題が一定時間きちんと持続できることを並行して取り組んでいきましょう。

②手と口の分化

Q3のように手を口の中に入れながら咀嚼を行うお子さんは、手と口が連動しており、手を止めてしまうと咀嚼も止まってしまうことがあります。

また、手が味覚を代用しており、脳の機能局在から見て、手と口の働きに境はなく、未分化の状態です。

右手ははし(フォーク)を持つ主用手、左手はお椀を押さえる補助手、口は噛んで飲み込むところという本来の機能をきちんと分けて使わせることによって、脳の機能分化を促します。

食器がうまく使えず、それが元で途切れるようであれば、道具の扱いは二の次にし、手が口に行かないようにだけ注意してください。

手の上に濡れ布巾などを乗せて、「動かさない」ということが見てわかるようにすると良いでしょう。

③歩行トレーニングの薦め

私のこれまでの経験で、食事時以外でも絶えず口の中に何か(指、爪、ごみ)を入れて触覚遊びにふけっているお子さんや、舌や唾で遊ぶお子さんは、必ず摂食行動に大きな問題を抱えています。

口の中に何も入っていないときには歯を合わせて軽く唇を結び、鼻呼吸ができるようにしましょう。

鼻呼吸を獲得するためにも早歩きや駆け足は有効です。

普段口を開けているお子さんでも、鼻から息を吸わざるを得なくなります。

食行動の改善を図るために、まずやらなければいけないことは、このような全身の大きな筋力を使うことを覚えさせることです。

一見関係のないトレーニングにも見えますが、歩行は食事指導に必要な、ユアペース行動・意識の持続・体の機能分化を促すために必要な基本訓練です。

正しいスタイルで毎日一時間以上取り組むことで食事指導がすすめやすくなるはずです。


この記事をご紹介したのは…





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