重度の子のための学習指導
今すぐに始められる!頭と体を使う学習の工夫 の記事をご紹介します。
②『立てる』課題
重度のお子さんの場合、”持ち続ける・離す・置く・運ぶ”などの生活に直結する基本的な動作についても、学習として教えていく・パターニングしていくことが効果的です。
どんなことができたら、社会性に繋がっていくか、この先の姿をイメージしながら、
さまざまな身体の使い方をパターニングし、スキルアップを目指していきましょう。
連載2回目の今回は、積み木やブロック・マジックのキャップ・トイレットペーパーの芯などを『立てる』動きを発展させた課題です。
1.いろいろな方向に文字板を立てる課題
先日、小学生のS君と木の文字板を机上に立てる学習をした際、横向きには立てられるものの、手首を90度回転させて、縦向きに立てることが難しいことに気付きました。



できる(〇) できない(✕)
手首が硬いなどの機能的な問題もあるかもしれませんが、ボディイメージが弱く、
お手本の通り・目で捉えた通りに手を動かせないということも原因の一つです。
初めはかなり介助し、手の動かし方のコツが分かるよう、繰り返し練習しました。
その際、『できてきた』というタイミングで、できるだけ早く、介助は減らす・無くすよう心掛けました。
また、机上に長方形の台紙があると分かりやすいようでしたので、その場で紙を切ってすぐに用意し活用しました。
ちょっとした工夫を即時的に取り入れるのも、『できた』に繋がるポイントです。

これを発展させて、DVDケースやはがき大のカードを横方向だけでなく、縦方向にもポストインできるような練習もしています。
ゆくゆくは立った状態でも様々な向きにポストインできるよう目指していきます。

2.色別のブロックやキャップを使って、弁別やマッチングをする課題
何色かのブロックやマジックのキャップを用意します。子どもが握りやすい、置きやすい教材を選ぶようにしましょう。
①色弁別

マジックのキャップを使って。同じ色の台紙を用意し、その上にキャップを色ごとに弁別する。
②マッチング

色の異なるキャップを一つずつ置いておき、それと同じ色のキャップをマッチングする。
✎教材の扱い方のひと工夫✎
課題に慣れてきたら、教材を手渡す位置を、上下左右に意図的に変えてみましょう。また、容器の位置を真正面に固定せず、上下左右に移動させながら行ってみましょう。
こうしたことで、目で捉えられる範囲を広げるとともに、手を意識的に伸ばす・動かすことに繋がります。
中略
✊スキルアップの工夫✊
【右手と左手の協応動作を促す工夫】容器を押さえる・容器を持つなど、補助手にも役割を持たせ、協応動作を目指しましょう。
課題例 ★シール貼り★
補助手で台紙を持って自分で剥がして貼っていくことがまだ難しいお子さんの場合、
定規や小さな下敷きの右端(左利きの場合は左端)にシールを1列に少しはみ出させて貼り、
それを補助手で持ちながら取り組むと、「剥がす→貼る」がやりやすくなります。

定規をシールの台紙代わりにして。
紙よりも硬さがあるので、利き手を動かしていても、補助手で握り続けやすい。
この記事をご紹介したのは…

1983 年創立。自閉症、広汎性発達障がいなどの診断を受けた子どもや、
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
コミュニケーションがとりづらい、問題行動やこだわり・パニックが頻発して家庭療育がままならないなど、
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
幼稚園や学校に通いながら、ほかの療法とも併せてプログラムを実践することができます。
コロロメソッドとは
コロロでは「子どもの持っている力を最大限に伸ばし、社会の中で生きる力をつけていくこと」を目指して幼児から成人までの療育を行っています。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。
詳しくは、ホームページをご覧ください。
コロロ発達療育センター
コロロ学舎