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重度の子のための学習指導
今すぐに始められる!頭と体を使う学習の工夫 の記事をご紹介します。

重度のお子さんの場合、課題の進度がゆっくりな場合が多く、
手作業課題、カードマッチング、線引きなど少しずつできることが増えているものの、
「学習の時間の過ごし方がワンパターンになりがち」「市販の教材は難しい。どんなことをやらせたらよいのか?」などの、
ご質問やお悩みをたくさん伺います。

特別な材料を買ったり手の込んだ教材を作ったりしなくても、身近なものを活用し、指導の仕方を少し工夫するだけで、
目や身体をしっかり使い、上位脳を活性化させることは可能です。

今日からでも、家庭や施設・学校ですぐに活用できるよう、より具体的な内容をお伝えしたいと思います。

連載の第1回目は「歩きながら取り組む作業課題」です。

歩きながら取り組む作業課題



「学習」と言うと、机上で着席して取り組むことが、一般的なイメージだと思います。

ですが、机上でできるようになった作業や弁別の課題を歩きながら取り組ませてみてはいかがでしょうか?

「歩く→入れる」という粗大的な動きを取り入れることで、目や身体をより複合的に意識して使用することができます。

また、机上での学習中猫となくぼんやりしている”などの様子が見られる際、動きのある課題は、意識レベルを引き上げる効果もあります。

★ここがポイント!★

①5回は続けられるよう準備しましょう
1~2回では、お子さん自身が「できた!」と実感する前に終わってしまいます。
5回は続けることで、お子さん自身の「できた!」の手応えに繋がります。

②目的地まで、できるだけ走らずまっすぐ行けることを目指しましょう
まずは、短い距離から始め、様子を見ながら距離を延ばしていきましょう。
どこを歩くか分からない場合は飛び石のような踏み台を道筋に使っても良いです。

③様々な手の動きを練習しましょう
箱まで持っていけても投げ入れてしまうお子さんもいますが「ゆっくり」「そっと」などの声かけや介助で投げずに置けるようにしてゆきたいですね。
それが難しい場合には、紙コップや積み木を重ねていく、洗濯ばさみを挟むなど、投げ入れる動きを出さない教材に変えることで、
反射的な手の動きが出にくくなります。
お子さんにとって、そっと置くという手の動きが出やすい教材を工夫しましょう。
  

★発展編★

向きや高さを変え、目や身体の使い方を広げてみましょう
目線と同じ位、目線より上、机の少し奥など、色々変化させてみるのもいいですね。


弁別しながら取り組んでみましょう
お子さんの様子に応じて、弁別しやすい教材を選びましょう。
2種→3種弁別へと広げてもよいですね。

生活の中にも、学習課題を取り入れてみましょう
〜家庭にて〜 洗濯機に洗濯物を入れるお手伝い
〜放デイにて〜飲み終わったコップを受け取り、重ねていくお手伝い

このように、学習を応用することで、重度のお子さんでも、先生やお友達のお手伝いができるようになります。

家庭でも、家族の一員として仕事ができるようになります。こうしたことも見据えながら、学習に取り組んでいきましょう。


この記事をご紹介したのは…




コロロ発達療育センターはコロロメソッドを実践する療育機関です。

1983 年創立。自閉症、広汎性発達障がいなどの診断を受けた子どもや、
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
コミュニケーションがとりづらい、問題行動やこだわり・パニックが頻発して家庭療育がままならないなど、
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
幼稚園や学校に通いながら、ほかの療法とも併せてプログラムを実践することができます。

コロロ学舎はコロロメソッドを実践する成人入所施設・放課後等デイサービス事業等を運営しています。

コロロメソッドとは
コロロでは「子どもの持っている力を最大限に伸ばし、社会の中で生きる力をつけていくこと」を目指して幼児から成人までの療育を行っています。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。

詳しくは、ホームページをご覧ください。

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