発達障害のあるお子さんに字をきれいに書かせるためには、スモールステップでひとつひとつ教えていく
コロロメソッドでは、1本の線から始まり、たて線よこ線まるの線が書けるようになり、その組み合わせで書けるひらがなを増やしていきます。
文字の書き始めのころは、とにかく書ける文字を増やしていくことに専念します。
書きやすい文字から、
文字を書くことをきらいにならないように、
書き順や筆圧などの細かいことは置いておいて、
書字指導をしていきます。
そうしてある程度書ける文字が増え、書ける単語が増え、書くことにも慣れてくると、文字の乱雑さが気になるようになってきますね…
絵を見て3文字4文字の単語が書けるようになってきたら、文字を丁寧に書くことを教えていきましょう。
手先の正しい使いかたを身体に経験させていきましょう
正しい使い方を、なるべくたくさん身体に経験させていくことが早道です。
「きれいに書こうね」と声をかけるだけでは伝わりにくいので、まず具体的に見て分かる方法で教えていきましょう。
こんなトレーニングをやってみよう!
『正しく身体を使うこと』
歩行、粗大模倣、ものをそっと置く
発達には順序があり、粗大な動きから手先などの末端に向かってコントロールできるようになっていきます。
リズムよく歩くことや、粗大模倣、ものをそっと置くことができるかぜひチェックしてみてください。
リズムよく歩く 粗大模倣
大きな音をたてずにそっと置けるかな?
リズムよく歩く 粗大模倣
大きな音をたてずにそっと置けるかな?
マス目に書く
絵を見て3文字4文字の単語が書けるようになってきたら、マス目に書くようにしていきましょう。
はみ出さずに書くことを伝えていきます。
マス目に書く
マス目に書く
線を止める
マス目からはみ出してしまうようであれば、図のように線を止める練習をしてからマス目に戻ると手先のコントロールがしやすいです。
線を止める練習
手を机につけて書く
腕全体の動きで大きめの文字を書くことから練習を始めた場合、えんぴつを持った手が机から浮いた書き方になりがちです。
始めはそれが書きやすいのでよかったのですが、文字数が多くなってくると文字が重なってしまいますので、手を机に付けて書くことを練習していきます。
模写の力をUPさせる
文字を書くことに慣れてくると、文字を書こうとした瞬間に反射的に超速で書くようになってきます。
図のような図形模写の練習を通して、手を意識的に動かすことを経験させていきます。
模写の例
『意識した行動をとること』
反射的な行動は他にもありませんか?『意識した行動』に変えていきましょう!
「さあ、このプリントをしましょう」というときに、えんぴつを見るや否や書き始めないように一旦待たせます。
それだけで自分の身体を一度コントロールしますので、他の場面でもコントロールしやすくなります。
はじまりとおわりを、大人が決めましょう。
発達障害のあるお子さんに字をきれいに書かせるためには、
『正しく身体を使うこと』と『意識した行動をとること』をスモールステップでひとつひとつ教えていくことが大事
スモールステップでひとつひとつ教えていくことが、きれいな字を書かせるために必要です。
☆詳しくは、自閉症児のためのことばの教室 新発語プログラム① 無発語から発語までの31ステップ(ステップ17)に詳細が載っています。
この記事を書いたのは…
1983 年創立。自閉症、広汎性発達障がいなどの診断を受けた子どもや、
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
集団に適応できないなどの問題を抱える子どものための指導方法を研究・実践する療育機関で、
現在各地の教室で多くの子どもが療育を受けています。
コミュニケーションがとりづらい、問題行動やこだわり・パニックが頻発して家庭療育がままならないなど、
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
幼稚園や学校に通いながら、ほかの療法とも併せてプログラムを実践することができます。
コロロメソッドとは
コロロでは「子どもの持っている力を最大限に伸ばし、社会の中で生きる力をつけていくこと」を目指して幼児から成人までの療育を行っています。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。
コロロメソッドとは、40年に渡る療育の実践の中で得た知見から体系づけられた「ことばが増える・伝わる・問題行動が減る」療育プログラムです。