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発達プログラムNo.166 問題行動はもう始まっている part2 ー問題行動のメカニズム/直前刺激の見極めーより

問題行動Q&A ②つば吐きへの対応の記事をご紹介します。

支援者側の過剰反応を見直し、悪い行動パターンを断ち切る

Q.つばを吐いて服を汚し、着替えたがります。どのように対応したらよいでしょうか?

A.こだわりが強化してしまうと、それを崩すにはかなりの時間と労力が必要になります。

ということは、こだわりの強化をさせないことが重要です。

今回の「服につばを吐き→着替える」というこだわりは、まさに強化されやすい行動です。

こだわりは、条件反射ですから条件が揃えば、その行動をせずにはいられません。

その上、この事例は「つばを吐く」という、人が嫌がる行動であるために、その都度支援者が過剰な反応を示しがちです。

この過剰反応が、彼らの快刺邀となり、悪いやり取りパターンが成立します。

つばを吐く→周りが過剰に騒ぎ、「汚いから着替えましょう」。

このやり取りを何度か繰り返すと、「つばを吐く→服を着替える」行動の強化(こだわり)成立です。

叱っているつもりでも本人には、快刺激になっていることがよくありますから、何度叱っても分からない・・・
というようなときには、対応を見直しましょう。


まずはつばを吐きやすい状況(姿勢等)を観察します。

座位の時?
しゃがんでいる時?
顔が下がり、身体が屈曲していませんか。

そしてつばを出す事と同時に手が口に行き連動した動きになっていませんか。

この様な行動は下位脳レベルでの行動です。

つばを出す行為は身体の常同行動のようなものなので、触覚ルートから目を使える視覚ルートへ引き上げる必要があります。

手持無沙汰にせず、両手に荷物を持ち歩くなど、手に目的を持たせましょう。

つばをハンカチやティッシュに出す練習やマスクを着ける練習もします。

まずは「つば↓こする↓着替える」の一連のパターンを断ち切ることです。


さて、こだわりを崩せないということは、支援者が彼らの行動に、介入しにくく、生活がパターン化しているはずです。

日常の中で、ちょっとアレ?と思わせる程度のパターン崩しをして「このくらい大丈夫だったね」
の積み重ねをしておくことが、こだわりの強化を防ぐことになります。



例えば、

①場所:寝る部屋を変える、食事の部屋を変える等。

②時間:帰ってすぐに入浴という流れを、入浴前に食事にする等、順番の変更や時間変更をする。

③使う物:カレーを箸で食べる、フェイスタオルで体を拭く等、いつもと違う物を使用する。

日常的に、条件反射的行動かどうか?を観察し、先手対応をしていくことや、パターン崩しによるユアペースを心がけ、柔らかい反応状態を維持することを心がけましょう。

   


この記事をご紹介したのは…

 


コロロ発達療育センターはコロロメソッドを実践する療育機関です。

1983 年創立。自閉症、広汎性発達障がいなどの診断を受けた子どもや、
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さまざまな問題に対し、独自の療育システム(コロロメソッド)による具体的な対応法・療育方法を提示し、家庭療育プログラムを組みます。
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